【SNSライティング①】目標は「完読」。SNSライティングの基本マインドセットとチェックリスト
SNS投稿、ブログの記事作成、twitterの文章投稿の文章をつくる時のマインドセット。
私のチームでは、マーケティングの考え方を取り入れた「クライアントファースト・ライティング」と名付けてとても大切にしているのよ。
私はライティングを、「サービス業」と考えています。
読者がどんな人かを意識し、読み手の心地ちの良さを心がけます。
その考え方を、私たちチームでは「クライアントファースト・ライティング」と呼びます。
この記事では、その基本的なマインドセットと、投稿前に必ず確認するチェックリストの中から、特に大切な項目を紹介します。
いきなり書き始めていませんか?
インスタグラム投稿する時、いきなりCANVAを開いていませんか?
twitter投稿に、いきなりTwitterを開いていませんか?
下準備なしでアプリを開くと、脳が無意識に複数の処理を始めます。
デザインやアプリのレイアウトに引きずられて、文章作成がおろそかになることも。
まずはメモアプリなどで投稿の趣旨や構造を明確にし、文章に集中して書き切ることがおすすめです。
目標は「完読」
すべての文章の目標は、「完読」です。
昨今多くの人が、「情報短気」にあると言われています。
人は一瞬で、自分に必要な情報かどうか判断します。
必要ないと分かった途端に離脱(ページから離れてしまうこと)します。
さらにインスタグラムのアルゴリズムは、ユーザーが1つの投稿で滞在した時間や、いいねや保存率を計測します。
その結果を、検索上位やおすすめに表示する基準にするのです。
ユーザーの離脱を防ぎ、滞在時間を長くするための基本マインドセットが、「クライアントファースト・ライティング」です。
基本マインドセット ー クライアントファースト・ライティング
クライアントファースト・ライティングは、お客さまのことを第一に考えますが、決して媚びるわけではありません。
ライティングはあくまで「事実に即している」ことが鉄則です。
内容の選択、執筆の目的、言葉づかい、読み心地など、デザインの要素で、読み手に負担がないよう、気持ちよく完読してもらうことを目指しています。
誰の悩みや問題を解決しますか?
「マーケティング」とは、誰かの悩みや問題を解決する商品やサービスを、必要としている人に、必要なタイミングで届けるための、一連の仕組みを言います。
ライティングも同じように、誰かの悩みや問題を解決する文章を、必要としている人に、的確なタイミングで届けることが完読の条件となります。
ビジネス用語では、お客さまの代表例を「ペルソナ」と言います。
ライティングでは、お客様は「読み手」です。
例えばペルソナの一つを、40代前半中堅サラリーマン、キャリア思考が高く、より高い年収を求めて日々筋トレと勉強に励む男性と設定します。
もう一つを、35歳育休中女性、キャリアコンサルティングの資格取得を求めて勉強中だが、育児と家事に追われてなかなか勉強がはかどらない状態の人と設定します。
両者は、性別も好みも違うため、発信する内容や言葉づかいは、それぞれのペルソナに合わせた切り口や言葉づかいを意識します。
その後の反応を決めておく
ユーザーが読み終わった後の反応や行動を、あらかじめ決めておきましょう。
以下の例を考えてみましょう。
- 前向きな気持ちになって、法制度改正を受け入れてもらいたい
- 法制度改定を非難して、誰かとそれについて語ってもらいたい
この両者では、同じ事実でも、切り口や言葉づかいが全く違う文章になります。
利用後の反応や行動を促すことを、「行動喚起」と言います。
文章全体の言葉づかいで、間接的に行動喚起を促せたら、あなたはもう上級者です!
SNSでは「ためになったらフォローしてね」「悩みがあったら、コメント欄で教えてください」といった直接的な行動換起も効果的です。
実際に使っている「投稿前チェックリスト」
マーケティング思考的ライティングの考え方を踏まえて、私たちチームはチェックリストを作っています。
その中から、大切な7つをご紹介します。
- 事実から外れていないか
- 読み手の需要に即しているか
- 適切な長さ・・文章全体の長さ、一文の長さを読み手に合わせる
- 押し付けがましくないか
- 言葉づかいが正しいか
- 良いリズム感、テンポ
- 表現にダブりがないか
1. 事実から外れていないか
事実を集め、独自の論点や切り口でオリジナリティを出すことがライティングです。
「事実に忠実に」を腹に落とし込みましょう。
ライティングに少し慣れてきた時に起きやすいのが「誇大表現」。
「人気絶頂のこのグッズは・・・」
「絶対に月商7桁を超える方法」
センセーショナルに伝えたい気持ちが先立ち、小手先の言葉テクニックに頼りすぎてしまった例です。
冷静になって見てみると、人気絶頂って誰が決めたのでしょうか。
誰がやっても絶対に月商7桁を超えるのでしょうか。
以下のように、書き換えましょう。
「人気絶頂のこのグッズは・・・」→「当店で一番人気のこのグッズは・・」
「絶対に月商7桁を超える方法」→「私が実際に通った月商7桁越えの道筋」
2. 読み手の需要に即しているか
自分が言いたいことだけを書いていませんか。
思い込みの論理で決めつける。
自分にとって気持ちのいい論理展開で盛り上がる。
自分の論理を強めるために、「である」「体言止め」を多用する。
このような文章は、あなたのターゲットにとって、もしかしたらとても読みにくい文章かもしれません。
フォロワー層が想定したターゲットとズレる場合があります。
多くの場合、読み手の需要に投稿内容が即していません。内容だけでなく、論点、切り口、言葉づかいも見直しましょう。
3. 適切な長さ
tiwitterは1投稿140文字程度と決まっています。
一方、インスタグラムのカルーセル投稿は、文字を細かくし、スライド数を増やせば、長い文章も配信できます。
しかし果たして、完読してもらえるでしょうか。
目標は完読。
読者が興味を最後まで持続できる適切な長さを目指しましょう。
また一文の長さも大切です。
音読して息が切れない長さに止めます。長いと感じた場合は、思い切って2〜3つに分けられないか考えてみましょう。
4.押し付けがましくないか
言葉づかいが強く、持論の押し付けは、嫌われやすいので注意が必要です。
圧が強いと、読み手がつらくなります。
また上から目線も、読み手は敏感に感じ取るものです。
切り口が斬新で論理がしっかりしていれば、言葉づかいを強くする必要はありません。
フラットな視線で、客観的な姿勢を忘れずに。
!や?などの記号や、体言止めの多用にも注意が必要です。
5. 言葉づかいが正しいか
語尾の「です」「だ」「である」の選択、専門用語の使用の有無など、ターゲットに合わせて選択します。
とくに間口を広げるためのSNS発信には、ていねいな言葉づかいで、なるべく専門用語は使わないことを心がけます。
固有名詞は手打ちをせず、必ず正しい出典元からコピペし、ミスを防ぎます。
6. 良いリズム・テンポ
多くの人は黙読していても、脳内で音に変換し音読しています。
読みやすい文章は、リズムやテンポがよく、脳が内容と意味をスムーズに処理できます。
ひらがなと漢字の量や場所は、「見た目のリズム」に影響します。
ある学習塾に「絶対全員全校合格で絶対勝利!」と、達筆な毛筆が貼られていました。
とても力強い標語です。
しかし文章にした時はどうでしょうか。
漢字の量が多すぎて、どこで切るのかとまどいます。
この場合は、漢字を開き(漢字をひらがなにすること)ます。
文章を書き終えたら必ず音読して、読みづらくないかチェックします。
「絶対全員全校合格で絶対勝利!です!」
→「絶対に全員で、すべての志望校を合格し、勝利を掴みましょう!」
7. ダブりはないか
ダブりは、語句レベル、文節レベル、文章レベル、記事レベルのそれぞれの大きさでチェックします。
2回までのダブりはかろうじて許容範囲ですが、3回目は絶対にアウトです。
ダブりは大きく2つのパターンがあります。
- そのまんまダブり
- 意味の上でのダブり
そのまんまダブり
【語句レベル】
文章を書いていると、良い文章か、悪い文章か分からなくなってくるので、第三者にその文章をチェックしてもらうといいでしょう。
【文章レベル】
11月1日、愛知県長久手市にジブリパークがオープンしました。11月入場分のチケットは8月に抽選があり、当選した〇〇名が・・・
中略
長久手市のジブリパークのオープン。名古屋市民は景気回復の起爆剤として期待します。
意味の上でのダブり
「未だ未解決のままです」→「今も未解決ままです」(二重表現)
「ご連絡させていただきます」→「ご連絡いたします」)(二重敬語)
「昨日は天気が悪く、雨だったので、傘を持っていった」→「昨日は雨だったので、傘を持っていった」(文節レベルのダブり)
まとめ
私たちが大切にしているクライアントファースト・ライティングと、チェックシートをご紹介しました。
ライティングは一朝一夕で上達するものではありませんが、続けることで確実に上達を実感できるスキルです。
誰かの悩みや問題を解決し、読者に寄り添うライティング 。
今までと違った世界の入り口へのきっかけになると信じています。