毎日くん

LLMO対策で企業が実際にやること

ココロバレがLLMO対策をうたうサービス11社のページを1社ずつ確認したところ、メニューに並ぶ施策はほぼ同じ8つに集約されました。差がついていたのは、その施策に載せる中身をどこから集めるかという工程と、成果をどこまで見るかという考え方です。何をやるかで迷う時間より、何を載せるかを決める時間のほうが、半年後の結果に効いてきます。

LLMO対策とは、ChatGPTなどのAIが質問に答えるとき、その引用元として自社が選ばれるように、発信する情報の中身と見せ方を整える取り組みです。LLMOは大規模言語モデル最適化の略で、AI検索対策・AIO対策とほぼ同じ意味で使われています。

11社を比較して分かったことは、主に次の3つです。

  • 実際にメニューへ並ぶ施策は、JSON-LDの実装・FAQの設置・結論先出しの書き換えなど、8つにほぼ共通していた
  • 8つはいずれも情報の形を整える作業であり、記事に載せる中身が薄いままだとAIには引用されにくい
  • 差が出ていたのは、一次情報をどう集めるかという工程と、成果を引用率ではなく問い合わせや受注まで見るかという考え方だった

LLMO対策として並ぶ施策は、ほぼ8つに共通する

LLMO対策として企業が実際に手を動かす作業は、8つに整理できます。LLMO・AIO対策をうたうサービス11社の公開ページを1社ずつ読み、メニューに明記されている施策だけを抜き出して突き合わせた結果です。

施策 実際にやること
構造化データの実装 JSON-LDでFAQPage・Article・Organization・Serviceを記述する
FAQの設計と設置 想定される質問と回答を、ページ内に問答の形で置く
結論先出しへの書き換え 冒頭40〜60字で問いに直接答え、箇条書きと表を使う
E-E-A-Tの強化 著者情報・運営者情報・実績・資格をページに明示する
エンティティ情報の統一 社名・所在地・代表者を、サイト・SNS・外部メディアで揃える
技術要件の整備 robots.txtのAIクローラー設定、ページ速度、HTTPS
外部サイテーションの獲得 プレスリリース配信、業界メディア寄稿、比較サイト掲載
引用率のモニタリング AIの回答に自社が出た回数を計測し、月次で報告する

E-E-A-Tは経験・専門性・権威性・信頼性の頭文字で、誰がどんな立場から語っているかを示す情報のことです。エンティティ情報は、社名や所在地など、AIが同一の会社だと見分けるための手がかりを指します。着手の順番で迷う必要はありません。上から3つは設定と書式の作業に近く、社内でも進められます。

話題になることの多いllms.txt(AIに向けてサイトの要点を伝えるファイル)は、メニューに明記していた会社が11社中1社だけでした。名前は広く知られていても、料金をつけて売れる商品にはまだなっていません。

8つはどれも、すでにある情報の形を整える作業

8つの施策に共通しているのは、自社にすでにある情報を、AIが読み取りやすい形へ整える作業だという点です。整える対象が薄いところに整形だけを重ねても、引用は増えません。

例えば、FAQPageのJSON-LDを実装するとは、ページに置いたFAQを、AIが機械的に読める書式へ変換することです。中身は元のFAQのまま動きません。結論先出しへの書き換えも同じで、冒頭40〜60字に繰り上げた答えが一般論なら、AIが受け取るのも一般論です。

どこの店にもある料理を、器と盛り付けだけ変えて出すようなものです。写真の見栄えは良くなりますが、その店を選ぶ理由にはなりません。

LLMO対策の本質は、AIに読める形を作ることではなく、読むに値する中身を持つことです。人が新しい情報を信頼するまでには、注意が向き、安全だと感じ、意味がわかるという順序があります。AIの引用も似ていて、読み取れる形になっていることは注意の段階を通す条件にすぎず、選ばれる理由は中身の側にあります。

多くの会社は施策の一覧を見て、うちはどこまでやれているかを確かめます。先に確かめたいのは、整えた枠の中に何が載るかのほうです。自社のFAQに並ぶ答えは、同業他社のサイトに書かれている答えと、どこが違うでしょうか。

一次情報をどう取るかまで書いていた会社は、11社中2社でした

一次情報が重要だと方針として書いていた会社は、11社中6社ありました。取材やインタビューという取得方法まで明記していたのは、そのうち2社です。

一次情報とは、その会社の現場でしか生まれない経験や判断のことです。残りの会社でも前提とはされているものの、それを誰がどうやって企業から引き出すかは書かれていません。中身を集める工程が商品に含まれていなければ、その手間は発注した側に残ります。

社長と社員に、別々に聞く

ココロバレでは、ヒアリングを社長と社員へとそれぞれ2回に分けています。社長には創業の経緯・価値観・譲れないこだわり・他社との違いを聞き、社員には実務で大変なこと・日々気をつけていること・やりがいを聞きます。

分けるのは、同じ会社の話でも、立場によって出てくる言葉が違うからです。社長が語る理想と、現場が毎日守っている手順が重なったとき、その会社の言い分ははじめて裏づけを持ちます。重ならなければ、どちらかが実態と離れているとわかる。そのズレ自体も記事の素材になります。

この2回のヒアリングを運用の入口に据えているのが、ココロバレが提供する、ブランディングブログ運用サービス「毎日くん」です。集めた素材は、AIに書かせて終わりにせず、担当が1章ずつ読んで内容まで手を入れます。法令や数値は書く前に外部の一次ソースで裏を取り、取れないものは書きません。

引用された回数で止めるか、受注まで見るか

効果指標を公開していた6社のうち、受注や問い合わせまで指標に置いていたのは2社でした。残る4社は、AIの回答への引用率や言及数という露出量で止まっています。

引用率は、AIの回答に自社が出てきた割合です。測りやすく、増減も見せやすい。ただし出た回数が増えることと、そこから相談が来ることは別のものです。読み手が判断材料として使える中身が記事に入っていなければ、名前を見かけただけで終わります。

月次レポートに並ぶ数字が、先月より増えた引用回数だけだとしたら、その数字は経営会議で何を決める材料になるでしょうか。

料金も確認しました。初期の診断が10万〜50万円、月額は15万〜100万円。最低6カ月契約を条件にしている会社が多く、半年は続ける前提の商品が主流です。半年払い続けるなら、毎月どの数字を見て継続や中止を決めるのかは、契約前に握っておいたほうがいいでしょう。

契約前に、自社で4つを確かめておく

提案書に書かれている施策だけでは、その会社がどこまで対応するのかは分かりません。契約してから「そこは自社でお願いします」とならないよう、次の4点を確認しておきます。

  • 提案書に並ぶ施策が、「構造化データの実装」や「FAQ設置」のように情報の形を整える作業だけなのか、それとも「取材」や「ヒアリング」のように中身を集める作業まで含まれているかを確認する
  • 中身を集める工程が含まれていなければ、記事に載せる情報は自社で用意することになると考える
  • 一次情報を誰が、誰から、どのように集めるのかを確認する。取材やヒアリングの回数、話を聞く相手まで決まっているかを見る
  • 毎月報告される数字が、引用率や言及数だけなのか、それとも問い合わせや受注まで含めて確認するのかを見る

4つとも、専門知識がなくても提案書や打ち合わせで確認できます。説明があいまいな場合は、その工程がサービスに含まれていない可能性があります。

形を整える前に、載せる中身を決める

LLMO対策でよく挙がる8つの施策は、AIに情報を読み取りやすくするためのものです。どれも大切ですが、それだけで引用されるわけではありません。

11社を比較して分かった違いは、施策そのものではありませんでした。どの会社も似たメニューを並べています。差があったのは、記事に載せる一次情報をどう集めるか、その工程をサービスに含めているかどうかです。

AIが引用したくなる記事は、形が整っているだけでは作れません。その会社にしかない経験や考え方、現場の話といった一次情報が入って、はじめて他社との違いが生まれます。一次情報・人格・継続という3つの条件も、この工程があって初めて記事に反映できます。

提案書を見るときは、「FAQを設置します」「構造化データを実装します」といった施策だけで判断しないことです。その前に、記事の中身を誰が、どのように集めるのかまで書かれているかを確認してみてください。そこが、半年後の成果を左右する大きな分かれ目になります。

よくある質問

Q. LLMO対策では具体的に何をするのですか

LLMO対策をうたう11社を確認したところ、施策は8つに集約されました。構造化データの実装、FAQの設置、結論先出しへの書き換え、E-E-A-Tの強化、エンティティ情報の統一、技術要件の整備、外部サイテーションの獲得、引用率のモニタリングです。いずれも既存の情報を整える作業で、載せる中身は別に用意する必要があります。

Q. LLMO対策の費用はいくらかかりますか

11社の公開料金では、初期の診断が10万〜50万円、月額が15万〜100万円でした。最低6カ月契約を条件にする会社が多く、短期で切り上げる前提の商品は多くありません。半年間継続することになるため、毎月どの数字を見て継続を判断するかは、契約前に決めておくことをおすすめします。

Q. LLMO対策とSEO対策は何が違うのですか

8つの施策のうち、構造化データ・E-E-A-T・技術要件・外部サイテーションは、従来のSEOでも扱ってきた項目です。重なる部分は小さくありません。違うのは評価のされ方で、検索結果の一覧に並ぶことではなく、AIの回答文に引用されるかどうかが問われます。順位が上がっても引用されない状態は起こります。

Q. llms.txtは設置したほうがいいですか

設置を止める理由はありませんが、優先度は高くありません。LLMO対策を掲げる11社のうち、llms.txtをメニューに明記していたのは1社だけでした。話題になっているわりに、料金をつけて売る商品にはなっていません。ファイルを置くだけで引用が増えるとは限りません。読ませる中身の準備が先になります。

Q. 一次情報はどうやって集めればいいですか

ココロバレでは、ヒアリングを社長と社員の2回に分けています。社長には創業の経緯やこだわりを、社員には実務で大変なことや日々気をつけていることを聞き、両者が重なった部分を記事の芯にします。「毎日くん」は週3回投稿の月5万円から、週5回投稿の月8万円、月15万円の3プランで、いずれも6カ月契約です。